『創立宣言』
今、ここに、私たちは、太陽の舟短歌会を結ぶ。太陽の舟は、太陽の神のみならず、死者の霊魂をも乗せて他界への旅におもむくという。太陽は、昼に生者を照らし、 夜は地下の生命の河にうかぶ死者たちを照らしてとおりすぎてゆくのだという。まさに、永遠を約束するもの。 それが<太陽の舟>である。
私たちは、生と死を一つにして、その奥に存在する永遠性を追求する。 私たちが過去を学ぶのは、未来を招くためであり、未来に関心を持ち続けるのは、過去を閉ざすためではない。 私たちはその上で常に現実に立脚する。現実に立脚するとは、現代を徹底して生きぬくことを意味する。
私たちは、伝統を重んじて伝統を超え、個性を重んじて個性を超え、物質よりも精神世界を重んじて、 人間存在の意味を問いつづけてゆきたい。
私たちは、友人を歓迎し、友人をよび求めてはゆくが、いたずらに多数をのぞむものではない。むしろ、 小集団として鉄の結束を固め、互いの心を信じて珠玉の作品を生みつづけてゆきたい。
私たちは、個人の自由な発想を重んじつつ、何よりも永続を願って、太陽の舟短歌会を、 今、ここに結ぶ。
(昭和52年10月29日)
『会 則』
太 陽 の 舟 短 歌 会 会 則 | |||
第一条 | 本会の名称は「太陽の舟短歌会」とする。 | ||
第二条 | 本会は創設者阿部正路起草の「創立宣言」の趣旨を志向する。 | ||
第三条 | 本会の代表は髙﨑邦彦とする。 | ||
第四条 | 本会の上梓所は東京都北区岩渕町11-14 生稲 進に置く。 | ||
第五条 | 本会は次の活動を行う。 | ||
1 | 月刊歌誌『太陽の舟』の発行 | ||
2 | 全国大会、歌会、研究会、吟行会等の開催及び添削指導 | ||
3 | 『太陽の舟叢書』の出版 | ||
4 | ホームページによる広報活動及び会員相互の交流 | ||
5 | その他 | ||
第六条 | 本会は本部に編集部・企画広報部及び事務局を、各地に支部を置く。 | ||
第七条 | 役員は代表・各部長・各部次長・監査人・会計掛及び役員会で選出した者とし、 役員会を構成する。各部長は活動遂行のため委員を任命することができる。 |
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第八条 | 役員会は役員の三分の二の出席を以て成立し(委任状を含む 以下同じ)、会則の改定・役員の選出・会費の増額・特別号の発行及び本会の運営に関する重要事項を、三分の二以上の同意を以て決定する。 | ||
第九条 | 三役は各部長とし、代表と共に役員会の決定事項以外の事項を決定する。 | ||
第十条 | 役員は役員会の二分の一以上の同意を以て選出する。なお、役員は原則として毎年の全国大会の役員会で改選する。 | ||
第十一条 | 会員は次に定める会費を納めなければならない。なお、会費は半年分を前納することとし、六月と十二月に所属支部に納めることを原則とする。 | ||
1 | 維持同人 月額 2,000円 | ||
2 | 同 人 月額 1,500円 | ||
3 | 会 員 月額 1,000円 | ||
4 | 奨励会員 月額 500円 | ||
5 | 購読会員 月額 600円 | ||
第十二条 | 本会の会費・寄付金及びその他を以て経費に当てる。 | ||
第十三条 | 会員の入退会他は次の通りとする。 | ||
1 | 入会する者は、各支部の支部長に会費を添えて入会届を提出する。但し、支部がない場合は入会届を編集長に提出し、会費は会計掛に納入する。 | ||
2 | 退会する者は、会費の未納分を完納の上、支部長に退会届を提出する。但し、支部がない場合は退会届を編集長に提出する。 | ||
3 | 会員区分の変更・会員の住所変更などは支部長が所定の書類で通知する。 | ||
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会計年度は1月から12月とし、会計掛は会計報告を監査人の監査の後、三役及び役員会の承認を受けて、歌誌に掲載する。 | ||
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本会に係る「慶弔金規定・職務規定・表彰規定・全国大会表彰規定・太陽の舟叢書出版規定」は別に定める。 | ||
付 則 | 本会則は平成11年8月1日を以て発効する。最終改定 平成22年1月9日 | ||
会費納入先 : 口座名義 太陽の舟短歌会 | |||
郵便 振替 : 郵便局名 西麻布郵便局 口座番号 00130-9-389699 | |||
会 計 掛 : 北川 昭 東京都港区六本木7ー21ー7 ℡03(3408)8705 | |||
『栞』
太 陽 の 舟 短 歌 会 の し お り | |||
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太陽の舟短歌会は昭和52年10月に創立宣言をなし、翌年6月創立準備第1号を発刊し、阿部正路を主宰として発足しました。阿部正路は結社無用論を標榜してきましたが、歌会の真の民主主義の定着を願い、下記の方針に基づき「太陽の舟短歌会」を創立しました。 | |||
2.短歌会の方針 | |||
(1)「同人誌的結社である」 同人誌的結社とは序列を定めず、一人一人の自己評価と自立を何よりも大切にする。さらに会員を歌歴の長短・作歌の上手下手及び会費の違いで区別しない。 | |||
(2)「平等の精神を貫く」 形の平等を保障しつつ、会員相互の心の平等も大切にする。心の平等を守り維持していくため、形の平等として歌誌「太陽の舟」の作品の掲載は会員名の五十音順とし、その掲載順を毎月回転させることによって、代表も含めて特定同人の権威化を防ぐことを貫く。 | |||
(3)「友愛の精神を貫く」 会員相互は厳しい友愛と優しさの友愛を大切にする。その厳しさは自己に向けられるものであり、その優しさは会員相互に向けられるものである。 | |||
(4)「会員相互は師である」 会員相互は互いに師であり、相互信頼と尊重をもとに相互批判し、批評し合うことを大切にする。聞く側もその厳しさを甘受し、仲間であることの喜びを享受する。 | |||
以上のことを踏まえて、私達は政治的な主張も活動もしないが、文化全体の根幹を問い、変えるべきものは変え、守るべきものは守ることの出来る、そのような力を歌の力・歌を詠む人々の心の中に求める短歌会を目指します。 | |||
3.創立宣言及び会則 別 紙 | |||
4.会 費 | |||
(1) 維持同人 | 月 額 2,000円 | ||
(2) 同 人 | 月 額 1,500円 | ||
(3) 会 員 | 月 額 1,000円 | ||
(4) 奨励会員 | 月 額 500円 | ||
(5) 購読会員 | 月 額 600円 (購読のみで、歌誌への投稿は出来ません) | ||
※会費は 6月と12月に半年分を前払いで所属支部に納入してください。 但し、直接北川会計掛に納付する場合は、郵便振替を利用してください。 口座名義 太陽の舟短歌会 郵便局名 西麻布郵便局 口座番号 00130-9-389699 |
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5.歌誌への投稿 | |||
2ヶ月前の毎月8日までに詠草7首(7首以下も可)を専用原稿用紙に記載し、各支部長に提出してください。 但し、直接生稲編集長に提出する場合は、毎月10日までに(必着)送付してください。 〒115-0041 東京都北区岩淵町11-14 TEL&FAX 03-3901-0978 |
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6.本部歌会の開催 | |||
毎月第2土曜日 13時~16時半 会場 きゅりあん(品川区立総合区民会館) 但し、1月は新年歌会及び夏季は全国大会のため別途開催します。 |
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7.本部歌会への参加 | |||
毎月第1週の金曜日までに(必着)石塚立子さんに詠草1首を提出してください。 〒300-1252 つくば市高見原3-4-6 TEL&FAX 029-872-1706 |
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8.支部歌会の開催 | |||
開催される支部がありますので、所属支部に確認してください。なお、支部会費についても所属支部に確認してください。 | |||
9.そ の 他 | |||
(1)詠草3首以上は歌誌に掲載しますので、初心者の方でも気軽に、構えずに投稿してください。 但し、ページの編成の都合で掲載が遅れる場合があります。 |
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(2)歌誌追加購入 1冊500円 5冊以上@400円 10冊以上@350円 20冊以上@250円 | |||
(3)専用原稿用紙代 1冊300円 | |||
『栞別紙』
1.「太陽の舟短歌会」設立の経緯 | |
創始者阿部正路は若い秀れた作曲家山田光生の依頼に基づき、太陽から発生した一艘の舟が、私達の祖先を乗せてはるばると南の国から北上し、みごとに、若々しい国造りをはたしてゆく過程をイメージとして「火の櫂」と題する長詩を作った。今にして一層、山田は、姉を失ってまもない阿部の暗鬱の心を切り拓いてくれたのだとしみじみ思った。 『火の櫂』は昭和40年12月に日本混声合唱団により東京文化会館で公開されたが、美事に力強く作曲された作品で、「太陽の舟」の詞章に到ったとき、言ひ知れぬ感動の深まりを見せた。そのとき、阿部は最初の歌集の題名は『太陽の舟』にしなければならないと思った。 昭和45年8月に第一歌集「太陽の舟」が上梓されて7年後、昭和52年10月に長野県伊那谷で、阿部の第一歌碑建立除幕式の折、岸田寛が国学院短歌のメンバーを中核とし、阿部を主宰とする「太陽の舟短歌会」の設立を強く迫り、阿部も種々の理由で断われなくて短歌結社を作ることを決意し、設立メンバーと協議して「創立宣言」が作成され、かくして昭和53年6月に歌誌「太陽の舟」が創刊された。 |
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2.「創立宣言」の趣旨説明 | |
阿部正路は多くの短歌結社と関係を持ちつつ、長く自分が主宰する結社を持つことは無かった。多くは人間関係の中で結社と関係を持って来たのであって、その組織を重んずることは無く、結社の持つ閉塞性・教条性を嫌った。しかし何よりも嫌ったのは分裂であった。多くの結社は分裂を繰り返し、その先に残るものは憎しみでしか無かった。そのことに耐えられず結社無用論を言い、阿部を慕って教えを請う多くの歌人を色々な結社へ送り続けてきた。しかし、前述の経緯を踏まえて阿部は「太陽の舟短歌会」の結成を決意した。 阿部は文学の根幹が人間の生と死であって、連綿と続く古代から現代に至る人間を描くことが短歌を詠うことの意味である。そのために過去を閉ざさず、未来を見詰め現代を生き、伝統を重んじながら伝統からも自由であり続けることこそ、個性を重んじることである。個性こそが文学の原点であり、結社の閉塞性・教条性に陥いらない道であると信じた。歌人に大切なのは人間存在の意味を問い続けることであって、結社・歌壇の地位に捕らわれることではない。 従って、「太陽の舟短歌会」は殊更に会員を募り、会を大きくし、無用な軋轢を生み、憎しみ合って分裂するような会には決してしない。むしろ小集団であっても、お互いの個性を尊重し、お互いを尊敬し合い、しかし短歌においては妥協なき純粋な文学集団であり続けよう。だから今も、「太陽の舟短歌会」は会としての短歌の方向性は持たず、会費や年数で会員の階級を決めることはしない。皆自由で平等な会員であり、目的は珠玉の歌を生むことにこそあるのだ。 従って、それを見失わなければ「太陽の舟短歌会」は永遠に続くのだと主張した。 |
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3.歌誌のデザインについて | |
歌誌の表紙は阿部により、珍敷(めずらし)塚古墳の壁画の一部をデザイン化して採用されました。 この古墳(福岡県うきは市)は昭和25年に偶然発見され、古墳時代後期に造られたものであるが、損壊が激しく、現在は横穴式石室の奥壁と側壁を残すのみながら、国内で現存する第一級の装飾古墳である。 この壁画からは古墳時代の文化や信仰を推察することができ、ここに葬られた人物が太陽の輝く陽の世界から月の支配する陰の世界へ、鳥の導く船で現世から来世へと旅立とうとする姿が描かれている。 阿部はこの壁画に関連して、「太陽は昼は東から西へと空を渡りながら生者を照らして活力をつけ、夜には西から東へ命の河を太陽の舟に乗り、生命の河に浮かぶ死者を照らしながら蘇生の力を与える。 太陽の舟の最も重要なことは、生きている者も死んでいる者も照らし出すということ、すなわち全ての命へ、全ての生命へ向けての暗示がそこにある」と述べている。 |
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